発表時刻(原則) | 毎月第1営業日 24時00分(夏時間 23時00分) |
発表機関 | 全米供給管理協会 (Institute for Supply Management) |
関連リンク | Institute for Supply Management:ISM Report On Business |
ISM製造業景況感指数とは?
ISM製造業景況感指数(ISM Manufacturing Report On Business)は、ISM(全米供給管理協会)が、全米の製造業300社以上の購買・供給管理の役員に、企業の景況感をアンケートした調査結果を基に作成した、景況感を表す指数です。
製造業の景況感を示す経済指標には、シカゴPMI(購買部協会指数)、フィラデルフィア連銀製造業景気指数、NY連銀製造業景気指数などもありますが、これらは調査対象が地区に限定されています。
ISMは全米の景況感を表したものであることと、データ公開も1931年からと歴史があることから信頼感が高く、製造業の景気動向を示す指数の中で、一番注目されます。
また、原則、数ある主要指標の中でも最も早い、毎月第1営業日に前月の調査結果が発表されるので、「ISM非製造業景況感指数(毎月第3営業日発表)」とともに、米国の景気先行指標として注目が高いです。
アンケートは「新規受注」「生産」「雇用」「入荷遅延(配送時間)」「在庫」「顧客在庫」「支払価格」「受注数」「新規輸出受注」「輸入」の10項目について、前月との比較して「良い」「変わらず」「悪い」からの選択となっており、全項目をまとめて算出したものは「総合指数」として、数値は0から100までで表されます。
「総合指数」からの景気判断分岐点は「50」で、上回ると景気拡大、下回ると景気後退と判断されます。
公表は項目ごとの数字でも発表され、「新規受注」「生産」は景気が反映されやすいことから、注目度が高いです。
また、毎月第1金曜日22時30分(夏時間 21時間30分)の米雇用統計よりも、同一日となる日以外は発表が早いので、「雇用」の数字は、雇用統計の先行としても注目されます。
【ISM製造業景況指数と利上げの関係】
「ISM製造業景況指数」は、1931年以来使われている歴史の長い指標ですが、
過去において、米国の中央銀行であるFRB(米連邦準備制度理事会)が
コロナ緩和影響による物価高(インフレ)対策以前は、この指数が50を下回っているときに、利上げが行われたことはありませんでした。
企業の景況感を表すことから、景気の先行きを示唆する先行指標とされており、
数値が高いほどに景気拡大ペースがはやく、低いほどに景気減速のペースがはやいと判断されます。
米国の中央銀行であるFRB (米連邦準備理事会)における、
政策金利の判断材料としても、重要な経済指標と考えられています。
ISM製造業景況指数結果からの為替反応
「ISM製造業景況指数」は底入れすると数カ月遅れて景気が底入れする傾向があり、米国内の景気に先駆ける指標として注目されています。
指標結果の総合指数が50より上回り、かつ予想や前月より上回ると、景気拡大や景気回復の状態と判断され、期待感からドルが買われる(ドル高)傾向になりやすいです。
また、50を下回った場合、もしくは予想を下回ると先行き悲観的な見方がされ、ドルが売られやすいです。
ですが、指標発表前のチャートが、すでに今の相場のドル高レベルにあるときは、良い結果がでても、すでに期待が為替レートに反映されており(織り込み済み)、発表と同時に材料出尽くしとして、ドルが下がる(売られる)こともあります。
結果を見た市場が、どのくらいのサプライズだったかを評価し、それがチャート反応としてあらわれるので、どちらに動くかの予想は難しいと考えたほうがいいです。
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