地政学的リスク(Geopolitical risk)とは
「地政学リスク」とは、地理的、政治的な要素が絡んだことにより引き起こされるリスクのことをいいます。
それぞれの国は経済発展のための活動をしており、経済の3要素は“ヒト・モノ・カネ”と言われていますが、地理的な要素も大きく関係しています。
例えば日本は、島国であることから海を活かした漁業や、船を使った交易ルートをとることで外国との貿易を発展させてきました。
ユーラシア大陸の内陸国は、海に出られないため、 内需を主した経済活動や、隣国との交易によって外国と取引をするルートを作るように、国の位置を活かした経済活動がされています。
つまり、国の政治経済には必ず地理的条件が関係しています。
こういった国と国との関わり合いの中で起こる問題のことを「地政学リスク」といいます。
例えば、2022年2月にロシアのウクライナ侵攻に対して、米国は「SWIFT」という国際決済システムをロシアが使用できない制裁を科しました。
つまり、原油や天然ガス、穀類輸出国のロシアは事実上輸出入が困難な国となり、エネルギー関連、穀物市場は高騰することになります。
その影響は戦争地ウクライナに接していることからの欧州への不安感に加え、ロシアからの天然ガス、穀類輸入国であるため、新型コロナウイルス感染の影響からによるサプライチェーン(製品の原材料や、部品の調達から販売に至るまでの一連の流れ。日本語では「供給連鎖」)問題発端とした、インフレ懸念に拍車をかける形となり、欧州の経済先行き不安を強めました。
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